第6話:日記

 今年の夏は、去年や一昨年ほどは暑くなかった気がする。そう思ったらすぐに過去の天気や気温をチェックできるのが今のいいところである。子供の頃、夏休みの宿題として出された日記(といっても1日あたり1行程度のものだったが)をサボり、「過去の天気」を調べるのがちょっと面倒だったのを思い出す。


 当時は日記を書くのが苦手だった。単に面倒というだけの話ではなく、日記として可視化されることで「夏休みの残り」を嫌でも実感してしまうから。もちろんカレンダー自体は毎日嫌でも目に入るのだが、日記として自分自身が空欄を埋めていくことで、より「残り」を実感してしまうのが嫌だったのだ。


 もっと色んなところに遊びに行けばよかったなとか、思い切って女の子をデートに誘ったりしてもよかったのになとか。暑さや帰省などを理由に後回しにしてできなかったことが、いかに多かったことか。


 8月も20日になると、もう夏休みも終盤戦である。大きなイベントは地元の盆踊りくらいしか残っていない。まあ子供にとっては、踊りよりも縁日とビンゴ大会のほうがメインなのだが。ビンゴは残念賞の駄菓子くらいしかもらったことがなかったなぁ、などと思い出す。


 今年も8月の第4土日に盆踊りは開かれるようだ。離婚して出戻ってきた近所の幼馴染の女の子でも誘ってみようかなぁ。どうせ断られても、それはそれで悪くない思い出になるかも知れないと、勝手なことを思うのであった。

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