scenario.38. 幾星霜紡がれる戦いを

『おーーーい!』

 ルナビットに乗ったクレイスから、音声通信で元気な声が聞こえる。

「この声はクレイスか」

 エアルのところに生き残ってる第二部隊が合流する。

「エアル!大丈夫?」

「エアルさん大丈夫でしたか?」

 ミアとアルファは、心配な表情を浮かべる。

「私は大丈夫だ、だけどジエルが……」

「俺たちの方でもレクターが未知のセルロイドに爆破されて死んじまったよ……」

 クレイスはエアルに続くように報告をする。

「ラクターが……!?未知のセルロイドって一体……?」

 すると、クレイスの機体にチョコンと乗っているレイリアが説明する。

「四足歩行型でな、くっつくと爆発するんじゃ!威力がとんでもなくてのう」

 すると、ドレイブが少し眉をひそめて、言った。

「クレセントは滅んじまったけど……どうする……?」

 ミアは放心したような状態で呟いた。

「どうしようね」

「どうしよっか〜」

 クレイスも頭を悩ませる。クレセントは、ほとんど壊滅してしまったのだ。

 ひどい喪失感が襲う。

「酸素が尽きるのも時間の問題ですよね……」

 ミアは、切ない眼差しを向け言う。クレイスは、少し諦めた表情で話す。

「ああ。俺たちが生きられるのも、あとわずかだろうな……クレセントの酸素供給も止まってるだろうし」

「まあ、仕方ないのう。ムーンライターっていうのは、こういう運命じゃ」

 エアルは、深く考え込む。運命で決まってるのはおかしいと。

「なんで、皆諦めてるのさ……!」

 ミアが嘆くように言う。

「だって、あと4日以内には酸素が尽きて死ぬんですよ……?僕でも……」

 アルファまでが諦めていた。そこでエアルが閃く。

「地球へ行こう」

 皆が驚愕する。最悪の絶望から、一筋の光が差し込むようだった。

「地球へ行けば、私たちは人間として生きられる……!」

 エアルが目を輝かして言う。

「セルロイドはどうすんだ?」

 クレイスは、月面にいるセルロイドについて気になり、問いかける。

「月面の電波を囮にしていたが、クレセントが破壊されたことにより、地球を襲撃する可能性がある」

「それをどうするんだ?」

 ドレイブも問いかける。あまりにも、未知なことだったのでわからない。地球は、今いる世代はほとんど行ったことがなかったからだ。

「迎撃だな、今いる全員でな。もしかしたらOnyxOneにたどり着けるかもしれない」

 エアルは宙を見上げて言う。宙は天の川で煌めいており、幾星霜で光が伝わり輝いていた。

「だったら賛成じゃな!地球へ行ってOnyxOneを討滅して、終わらせるんじゃ!」

 レイリアは、エアルの提案を聞いて決意する。

「ああ、終わらせよう」

 エアルは頷き、拳を前に差し出す。

「そうだな、最後のムーンライターとしてな!」

 クレイスも拳を前につきだす。

「"最後まで"じゃな!」

 レイリアも拳をそっと前に出す。

「そうですよね、終わらせましょう……!」

 シオンも周りに合わせて手を前に差し出す。

「セルロイドに終止符を打ちましょう!」

 アルファも微笑み、拳を重ねる。

「ムーンライターの仇を討つ!」

 ドレイブも納得し、拳を前に差し出す。

「私たちだって、未来を紡いでやるわ!」

 最後にミアが拳を前に突きだし、全員の拳がそれぞれ真ん中に集まる。

「これで最後。セルロイドと人間との戦いに幕を下ろそう」

「お〜!」

 エアルの呼びかけに、全員が迷いのない元気な返事をする。第二部隊は絶望から前に一歩ずつ進み続けることにしたのだ。

「作戦を考えよう」

 エアルは、ルナビットから降り、月面に足を踏み入れる。それに続くように皆はルナビットから降りて行った。

 

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