第2話

 そんな事情を抱えながら、私は今日友人に勧められた、というか、面白がって紹介された、裏主催のイベントに参加することにした。


 先ほどの台詞から軽く見当はつくように、私に友人はいない。


 ・・・自分で言っても、悲しくもなんともない。それほどまでに私の中での何かは欠落しているのだろう。


 **


 ——しかし、先程からずっとこの部屋で待たされているのだが、一体なんなのだろうか。


 とても豪華な部屋で、至る所に金の装飾をされている。西洋風の部屋だ。


 ここに案内されて来た道の途中でさえ、豪華な獅子の装飾が至る所にあったことに加え、埃のほの字さえも見えなかった。


 とても広い屋敷なのに、良く手入れが行き届いていることが伺える。


 どこか他人行儀に言っている私だが、今私が座っているこの椅子だって、壊したら絶対に弁償させられる。億は下らないだろう。


 そんな椅子に快く腰掛けて良いと言ってくれた、あの獅子のお面を被った使用人はだいぶ立場が上なのだろうか。


 ——いずれにせよ、私はこんな椅子が相応しいほどの人じゃないのに。


 **


 コツッコツと靴の音が聞こえる。誰かが来たみたいだ。


 男性で、身長は、恐らくかなり高い。靴は恐らく革製だな。ということは、服装もそれなりのものか。かなり高貴な方なのかも。体重が、あまり重いとは感じられないから、男性にしては華奢な体型なのかも...


 と、自分で考察していて、同時に気持ち悪いことをしているなあ、と思う。歩く音だけで、これだけのことがわかってしまうだなんて。


 しかも、この予想は、あまり外れないのだから、よく本家の人達にも言われたな。「気持ち悪い」と。これは、あの人達によった過酷な後継者教育の結果なのに。


 それに、ここの建物はいい材質の壁、床を使っているから、音からの情報は莫大な量を含んでいる。


 ——まあ、ただの言い訳か。



 少し経って—

 ようやく、ご本人様の登場だ。


 私の予想は、見事的中。ビンゴだ。


 少し足りないとするならば、西洋人だと見抜けなかったところだろうか。


 それにしても、此奴。登場したはいいものの、一向に口を開かないぞ。仕方ない、こちらから行くか。


「Nice to meet you. Who are you. Are you the owner of this place?」


 私の言葉を聞いた、その人は、軽く目を見開き、そして、フハッと吹き出した。


「いやー、流石だな。全国模試2位と聞いた時から期待はしていたが。こちらが西洋暮らしだと見抜くとは、どうしてわかった?」


「別に。これくらい普通でしょ」


「いや、普通じゃない」


 逃げようとした言葉を的確に引っ張り出して、吐かせる。なるほど、熟練だ。


「まず、貴方のそのスーツ。英国の小さな店のものよね。日本には上陸していない。」


「これが、英国のものだと知っていた、と?」


「ええ。それに、知らなくても、ピアスも丁寧に磨くような人が、日本、すなわち見知らぬ地、だと思われる、のスーツに快く腕を通せる訳ないわ」


「たった、それだけの情報でどうして英国暮らしとわかった?」


「賭けよ、賭け。それに、見た目が...」


「いや、先ほどの口調は確信している人のものだったし、俺は血は純粋な日本なはずだから、見た目でわかる訳ない」


 っち、二度目の逃走劇も打ち砕けれた。

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ファザード・ザ・ゲーム 天台珠玉 @syugyoku-pp

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