文章がとても読みやすく、気がつけば作品の世界観にどっぷりと浸っておりました。
真夏の暑さ、蝉の声、人気のない山道。
その情景が自然と頭に浮かび、まるで自分もその場所にいるような感覚になります。
何気ない描写や会話が、その瞬間はごく自然に通り過ぎていく。
それなのに物語が進むにつれて「あの描写には、そういう意味があったのか」と、まるで『残響』のように姿を変えていく。
直接的に怖がらせるのではなく、読者の中に小さな違和感を残し、それを少しずつ恐怖へ変えていく構成がとても巧みだと感じました。
さぁあなたも……謎を追いかけているうちに、いつの間にか逃げ場のない怪異の中へ。