第34話 惑星ZGLE-BLG-390

母船は惑星ZGLE-BLG-390の上空に待機し、美月、ルナ部隊、探索部隊のみで、まずは惑星へ向かうことになった。


その先頭にいるのは、もちろん――


物凄いスピードで突進していくギラギラデバイスだった。


美月

「私が1番乗りするからね〜!」


そう言いながら、美月はさらに速度を上げていく。


ルナ

「美月! 待ってください!」


焦りながら、ルナは美月の後を追いかけた。


美月を追いかけるように、次々とルナたちが到着した。

ルナ

「美月、大丈夫ですか? それと、もっと注意して……」


その時――

『――16キロ先、複数の生体反応あり――』

生命体感知レーダーから、通信が入った。


美月

「遂に! 遂に! 念願の!!」


美月は興奮を抑えきれない様子で叫んだ。


一方、ルナは戦闘態勢に入り、


ルナ

「先に攻撃するか……いや、まずは様子を伺うか」


と、警戒しながら考えていた。


未知の生命体を前に、二人は対極の考えをしていた。


美月とルナ率いる部隊は、同時に地面を蹴り出した。


美月

「どんな姿してるのかな〜? 楽しみだなぁ〜」


ルナ

「AチームからEチームは、対象を囲むようにして進んでください」


D、Eチームから通信が入った。


Dチーム

「このままでは、美月さんが先に到着してしまいます」


ルナ

「やむを得ません……D、Eチームは対象から目標を変更し、美月のデバイスへ砲撃を行い、足止めしてください」


鼻歌を歌いながら向かっていた美月の前に、突然、砂ぼこりが舞い上がった。


美月

「何事!?」


砂ぼこりが徐々に消えていく。


すると、そこには――


D、Eチーム、約2000体の姿があった。


美月

「ちょっと!! あんた達何してるの? 未知の生命体、見たくないの?」


D、Eチーム

「美月さん、すいません。対象が安全かどうか確認させてください」


美月

「ははぁ〜ん、あんた達、そんなこと言って1番に会いたいんでしょ? そうはいかないわよ!」


「ギラギラちゃん! 全部無視して1番に宇宙人の元へ全速力で到達させて!」


『了解しました』


そう告げると、ギラギラデバイスは隊員たちの前から、即座に姿を消した。



ルナに通信が入った。


Eチーム『ギラギラデバイス、ロスト!』


ルナは舌打ちをしながら、美月の居場所を再検索した。


すると――


ルナ「!? …………」


ルナ「美月は、ここから約6000キロ離れた場所にいます」


「全隊、至急座標まで向かってください! 美月の確保を最優先とします!」




一方、美月。


美月「ギラギラちゃん、ありがとう!」


美月はそう告げると、周囲を見渡した。


そこには、軽自動車ほどの大きさをした、丸く白い球体が複数浮かんでいた。


その中心には、3つの目と小さな口がある。


それは、美月がこれまで一度も見たことのない、未知の生命体だった。

美月は目を輝かせながら、


美月

「初めまして! 私は美月! あなた達の名前は?」


そう話しかけるが、返答はない。


美月は握手をしようと手を伸ばした。


すると、周囲にいた球体たちは怯えるように、一箇所へ集まってしまった。

美月は腕を組み、目を閉じながら考えていた。


美月「う〜ん、何か仲良くなれる方法ないかなぁ〜」




――Aチーム。


Aチーム「ルナ隊長! 生命体反応の大きさが徐々に増幅しています! 現在、生命体反応『中』から『大』! さらに増幅しています!」


ルナ

「美月!! 今すぐ行きますから、待っていてくださいね!」


————


美月

「そうだ! 何かお菓子あげよう!」


そう思いついて目を開ける。


しかし、そこには先程までいた球体たちの姿は、すでにどこにもなかった。

美月

「ギラギラちゃん? さっきの丸い子、探して?」


『対象は目の前です』


美月は周囲を見渡すが、姿は見つからない。


美月

「ギラギラちゃん、いないよ〜」


そう言って上を向くと――


先程の白い球体ではなく、大きなビルのような生命体が立っていた。

その大きな生命体は、ギラギラデバイスとほぼ同じ姿をしていた。


しかし、いくつか違う点があった。


手足や身体中には、無数の目が付いている。


そして、ギラギラデバイスのように輝いてはおらず、その身体は真っ黒だった。

美月

「え? 何? これ?」


『先程の球体たちは、美月が思考している間に集まり、集合体として1体の生命体として進化しました』


美月「え? 言ってよーー!!

ギラギラちゃん? あの生命体が攻撃してくる確率と、友達になれそうな確率を計算してみて?」


『攻撃100% 友達 解析不能』


———


Cチーム

「あと距離3800……爆炎と複数の光を捕捉!」

Aチーム

「対象の光は、ギラギラデバイスのものと一致。美月さんと未知の生命体が交戦中と思われます」


ルナ

「全部隊、戦闘モードに切り替えてください。対象を見つけ次第、攻撃を開始します」


全部隊

『了解』


———


美月「私、攻撃してないのに何で攻撃してくるのよ!!」


『巨大個体の中から、小さなデバイスを模した個体が複数出現』


『数、概算500……600……700……増幅を続けています』


美月

「ちょっと私もイライラしてきたわよ!! ギラギラちゃん! 反撃開始!」


ギラギラデバイスから無数の光が次々と放たれ、デバイスを模した個体に直撃する。


凄まじい光と爆音が、辺り一帯に広がった。

美月「だいぶ減った?」


『約900の消失を確認。同時に、新たに約900の生命体反応を確認』


『すべて巨大個体から生み出されたものと考えられます』


美月「もう1回当たれ〜〜!」


無数の光が、再び一帯に広がった。


『殲滅数、約611体』


美月「まだまだ〜!」


『殲滅数、約137体』


美月「どう? どう?」


『攻撃するたびに、対象の殲滅数が減っています』


『対象は攻撃を受けるたびパターンを学習し、本体から新たな個体として生み出されていると予測します』


美月「え?」


美月「もう! どうすればいいのよ〜!」


次の瞬間、全方向から物凄い弾幕が大きな生命体に命中した。


そして通信が入る。


ルナ「美月、お待たせしました。無事ですか?」


ルナ率いる全部隊が美月の元に集結した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る