#2 アイス

 #2 アイス




  コンビニ帰り、アイスをくわえながら公園でブランコをこいでたら、幼馴染と遭遇した。



 ダボッとしたパンツに、ぶがぶかの白シャツ。コイツパジャマかよ、って思うけど、だが顔がいい。



「おっす、おはよ」



 とか言って、隣のブランコに座ってくる。


 それで、無言のまま手を差し出して来た。



 ……なんだ、その手は。



 まぁ、いつも通り、アイスを求めてるんだろう。



 コンビニ袋からガリガリ君を取り出して、手の上に置いてやる。



 すぐに中身を取り出して、ゴミを差し出してくる。



 ……はぁ。


 ゴミを回収して、そのまま自分のズボンのポケットにつっこんだ。



「ありがと、ゆーじ」



 くわえながら喋んな。きたねぇ。




 無言の時間がつづく。


 蝉の鳴き声が、じりりりりり、と、うるさいくらいに聞こえてくる。



 お互い、ほんとに何も喋らないけど、でも、なんというか、隣にいて、安心する気はする。



 そんな感じの距離感だ。


 ……嫌では無いけど。



「…あっついねー」


「……ああ、まぁ、夏だからな」



 真白は、ぱたぱたぱた、と、シャツの襟を仰ぐようにして涼んでいる。


 白に青、っていう、寒色でできたみたいな存在なのに、それでも暑いと思うんだな、なんて。


 俺の中のイメージじゃ、雪そのもの、みたいな感じだからなぁ。

 毎夏思うけど、ちゃんと暑がるんだな。



「……うん」



 あげたアイスはもともと、真白が家に来た時に出す予定だったものだから、別に勿体ないとか言う気持ちはないんだが。



 やましい気持ちは全然ないけど、コイツ、アイスの食べ方おかしくね?



 なんでそんなに舐めるの?



 真っ白い肌の中で、ピンク色の唇だけが、目立っている。


 朝の夢を思い出した。


 ちゅうしよ?って、言われた(被害妄想)記憶がふらっと脳を遮る。



 そんな夢を見てしまった……、気まずい。


 ということは無い。



 別に俺と真白はただの幼馴染だし、キスとかするわけないから。




 …あー、暑い。


 最近の夏、あつすぎるだろ……。



 べしゃ。



 あ、アイス落ちた。


 俺の260円が……。




「……これ、食べる?」



 とか言って、真白が自分のくわえてたアイスを差し出してくる。



「いや、いらんいらん」



 そこまで食い意地ははってねぇよ。


 地面に落ちたアイスの残骸を眺め、名残惜しさも、すっとばして、俺はブランコから立ち上がった。




 ……さっさと家に帰って、クーラーで涼むか。


 







 夏休み中、毎日二話投稿!

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