第33話 侵攻開始
列車をナミブ直通にして橋の近くの旋回場で車両を下ろす。
(ナミブ線の列車は王都の車庫に回送しておいた。)
乗車割りで決まった通りに分乗して待機させた。
ナミブ砦に行って総司令に挨拶して軍議に参加した。
(今回は王自ら指揮を執る様だ)
当初の予定通りブレイバーズで先行して、第一騎士団が後を追う、その後ろを各領地から動員した歩兵が続く、後続の近衛以下の騎士団は後詰で輜重隊を守りながら追従する。
隊列が長くなるが仕方がない、なるべくうちの隊の遠距離攻撃で敵を減らして後続の負担を減らしたい所だ。
隊に戻って出発を告げる、車長席から顔を出して紙を丸めて作ったメガホンで叫ぶ
「パンツァーフォー!」
(本当は無線で叫びたかったが間に合わなかった。)
先頭は指揮車を兼ねている俺の車両で縦隊を維持して街道を進む。
敵は宣戦布告と同時に撤退して途中で防衛線を築いているらしい。
車長席から顔を出して、気配と魔力で索敵する。
極大魔法で吹き飛ばされると流石に破壊されるので真面目に索敵する、先に見つければこちらは3キロ先から攻撃出来るので極大魔法で先制される事は無いのだ。
(今のところ待ち伏せも無い様だ)
全く抵抗を受ける事なく順調に進む、20キロ程進んだところで人が動く気配を感じた。
なだらかな丘の所で陣を敷いて待ち構えていた。
メガホンで戦闘準備を伝えて横隊に隊列を変えて自由射撃を命じて中に引っ込んだ。
覗き窓から隊列が変わったのを確認して射撃を開始した。
「正面距離2000の隊列、瞬発、撃て!」
山なりの弾道で砲弾が飛んでいく、隊列の真ん中で爆発して吹っ飛んでいる兵隊が見える。
他の車両も撃ち始めた様だ。
敵は負傷者を置いて一斉に逃げ始めた、うーんひどい連中だ兵隊では無いのかもしれない。
反撃は無い様なので、顔を出してメガホンで叫ぶ
「丘まで前進、警戒して待機せよ。」
丘まで進んだところ、負傷者をそのままにして敵は逃げ去っていた、各車両に操作要員の3名を残して負傷者の救護に当たった、皆んなに負傷者を集めてもらって俺が片っ端から治癒をかけて治療した。
彼らは傷を治しても全く抵抗する素振りが無かった。
後ろから騎士団が追いついて来たので捕虜は任せて今日の野営の準備にかかった。
車両で方陣を組んで交代で見張る事にしてある。
方陣の中でかまどを作ってそれぞれの車両に分かれて晩飯の準備を始めた、食材と水は俺が配った。
騎士団は捕虜を連れて後続の陣に届ける様だ。
まあ、一方的にやられたのだから戦力差は理解したと思うが一応警戒はする。
(一方的に虐殺されたのだから夜襲とかは考え無いと思うがジャミールだから油断出来ない)
寝るのは車両内にハンモックを吊るし長椅子に毛布を敷いて休む、見張りが出ているので各車十分にスペースはあるはずだ。
(少々狭いが温度管理の付与がしてあるのでテントよりは快適だ)
交代で飯を食って順番に休憩する。
明日には確保目標の街道の分かれ道に行けるだろう。
大変申し訳無いが俺は見張りを免除されたので何かあったら起こす様に言いつけて先に休んだ。
(嫁や子供達は元気にしているだろうか?)
そんな事を考えているうちに俺は意識を手放した。
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