• マイページ
  • 小説を探す
  • ネクスト
  • 書籍化作品
KADOKAWA Group
  • ログイン
  • 新規登録(無料)
シュリンクフィルム

シュリンクフィルム

夏風かをる

おすすめレビュー

★で称える
★★★
★11
4人が評価しました
本文あり
日付が新しい順

本文ありのおすすめレビュー

  • 滝口アルファ
    2099件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    激しさの中の静けさ、静けさの中の激しさ

    「シュリンクフィルム」とは、
    熱を加えると縮む性質を持つ、
    プラスチックフィルムです。

    そのタイトル通り、
    繊細な飛躍がちりばめられた、
    陰影に富んだ詩情が立ちのぼる作品です。

    鸚鵡貝、ヘッドフォン、親指、馬鈴薯などなど、
    さまざまな具体的なモチーフを扱いながら、
    一つの作品世界の輪郭が保たれているのに驚かされます。

    1首目。

    雨に濡れし吸殻色の鸚鵡貝あるいはあなたの眼にいるわたし

    鸚鵡貝を雨に濡れたタバコの吸殻の色に例え、
    それを「あなたの眼にいるわたし」と二重写しにしていて、
    非常に切れ味鋭い1首だと思いました。

    中盤の愛の美しさと危うさが同居する歌も水際立っていて、
    ほのかな哲学性も薫らせながら、
    激しさの中の静けさと静けさの中の激しさが、
    火花を散らしている短歌集だと思いました。

    【レビューコンテスト応募】

    • 2026年8月11日 16:33