「シュリンクフィルム」とは、
熱を加えると縮む性質を持つ、
プラスチックフィルムです。
そのタイトル通り、
繊細な飛躍がちりばめられた、
陰影に富んだ詩情が立ちのぼる作品です。
鸚鵡貝、ヘッドフォン、親指、馬鈴薯などなど、
さまざまな具体的なモチーフを扱いながら、
一つの作品世界の輪郭が保たれているのに驚かされます。
1首目。
雨に濡れし吸殻色の鸚鵡貝あるいはあなたの眼にいるわたし
鸚鵡貝を雨に濡れたタバコの吸殻の色に例え、
それを「あなたの眼にいるわたし」と二重写しにしていて、
非常に切れ味鋭い1首だと思いました。
中盤の愛の美しさと危うさが同居する歌も水際立っていて、
ほのかな哲学性も薫らせながら、
激しさの中の静けさと静けさの中の激しさが、
火花を散らしている短歌集だと思いました。
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