本作の特筆すべき点は、論理的なバトルシーンと、複合的な世界観の構築です。
本作は能力を使ったバトルが特徴ですが、単純な出力を競うのではなく、能力の特性を活かす戦略物となっています。
序盤の入団試験において展開される集団戦では、単体では戦闘に不向きな能力(矢筒、鑿、粘糸など)を各員が的確に組み合わせ、格上の魔獣を打倒するといったプロセスが描かれています。
また、中世西欧の階級社会を基盤としつつ、キリスト教的な宗教観、アブラハム系の「シャローム」、神道の「祝詞」や「付喪神」といった多様な文化圏の要素が組み込まれています。これらの文化が単なる装飾ではなく、作中の社会構造や能力体系ときちんと結びついている点に、本作独自の世界設計がうかがえます。
ハイファンタジーとしての下地がしっかりと構築されていて、且つ、それを活かした戦略が描かれている作品として、今後の展開に期待が持てます。