農道を封鎖せよ!⑤
村の東側。
三人目の男が足を止めた。
遠くから、仲間の絶叫が聞こえた。
「……罠?」
男は周囲を見る。
暗い。
静かだ。
だが。
さっきまでとは、空気が違う。
男は慎重に歩き始めた。
足元を見る。
柵を見る。
物陰を見る。
そして。
「……ふん」
何もない。
男は集積場へ近づく。
その瞬間。
足元のロープが跳ねた。
「うっ――」
男の身体が大きく傾く。
「うわあああっ!」
暗闇から、村人たちが飛び出した。
「くそっ!」
男は腰へ手を伸ばす。
だが遅い。
腕を押さえられる。
身体を地面へ倒される。
「離せ!」
数人がかりで押さえ込まれた。
◇
修司のスマートフォンが震える。
《三人目、確保》
続けて。
《あと二人》
修司が画面を見る。
「三人……」
そのとき。
別の場所。
四人目の男は、すでにアンズの木箱を抱えていた。
「くそっ」
遠くで騒ぎが起きている。
仲間が捕まった。
少なくとも、一人や二人ではない。
「やばい」
木箱を地面へ捨てた。
「ずらからないと」
男はトラックの方角へ走り出す。
集積場。
柵。
農道。
下見で確認した道を、一気に駆け抜ける。
あと少し。
トラックまで戻れば――。
その瞬間。
足元が引かれた。
「なっ――!」
男が派手に転ぶ。
すぐに起き上がろうとする。
だが。
すでに周囲から、村人たちが走ってきていた。
「待て!」
「押さえろ!」
「くそっ!」
男が腰へ手を伸ばす。
その腕を、二人がかりで押さえる。
拳銃を抜く暇もない。
地面に押し倒される。
◇
修司のスマートフォン。
また通知。
《四人目、捕まえた!》
修司の表情が変わる。
「あと一人……」
だが。
次の通知は来なかった。
一分。
二分。
誰も、五人目を見つけられない。
修司は暗闇を見る。
「……どこ行った?」
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