過去のトラウマを抱える青年レーベンと、どこか底知れぬ影を持つ獣人のルスト。
異形化した「獣鬼」が存在する世界観の中で、互いに厳しい過去を持つ二人の切実な関係性が、圧倒的なリアリティをもって描かれています。
本作の魅力は、「ギフト」を巡る設定の緻密さと、二人の肉体的、精神的な距離の表現だと感じました。
日常会話や獣鬼との戦闘シーンへと引き込まれ、文章のテンポと緩急が秀逸です。
ルストのひょうひょうとした京都弁風の軽口が、「死」や「獣化」の凄惨さを際立たせる良いスパイスになっている印象を受けました。
重厚な心理描写と緊迫したアクション、一筋縄ではいかないバディ関係を味わいたい方におすすめしたい傑作です。