夏の終わりに地元の中学校で再会した昔馴染みの友人、香澄。向日葵の咲く校庭で彼と過ごすにつれて、少しずつ違和感が積もっていきます。何故彼はここにいるのだろう。僕はここに通い続けるのだろう。主人公が真相を思い出し受容した時には、向日葵の咲くいつもの校庭が違って見えてきます。サクッと読める短編でありながら、その中には二人の過ごした時間や想いが凝縮されています。少し不思議がある物語がお好きな方におすすめです。
現代ファンタジーの温かさと切なさが絶妙に織り交ざった、全5話の短編です。タイトルにもある「君がそこにいたことも、僕が君に会えたことも、意味があると思いたかった。」という想いが、物語が進むにつれてじわじわと心に染み入ってきます。限られた話数と文字数でありながら、登場人物たちの感情の揺らぎや夏の情景が鮮やかに描き出されており、読後には胸が熱くなるような深い余韻が残ります。
今年起きた数々の自然災害に遭われた方たちへ、心からお見舞い申し上げます。さてこれは、そんな災害で亡くなった方への、幻想的な鎮魂歌です。作者の切ない祈りが、ひしひしと伝わって、心打たれます。自然の力には勝てませんが、このような悲劇が少しでも無くなりますように。悲しい想いをする方が一人でも少なくなりますように。私も祈ります。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(130文字)