日常生活の中で少女に起こっていく異変の描写がリアルで、実際の出来事を読んでいるかのように、引き込まれます。普通だよ、と言いながら普通じゃない診察や手術を行う、少し不思議な医師。患者の少女を治すかどうかに対する医師の答えが、心に残りました。
玲司の医師としての在り方と、涼真の民俗学者・鑑定士としての視点がぶつかる構成がとても印象的でした!蛇への変化を「失われる可能性」と見る涼真に対し、「でも、それを残したいのは誰だい?」と陽菜本人の意思へ立ち返らせる玲司が強い!そして手術では、六時間の経過を認識できない異能によって、医学と神格の境界そのものが消えていく、、、「普通に診療しているだけ」という玲司の言葉が最後には彼の本質として響きました。壮大な可能性より、少女の「普通に歩きたい」を尊重する結末も美しくまとまった作品でした!
患者の症状を読み解く医師。その「治療」を見定める鑑定士。彼らはそれぞれ何を見ていて、誰のためにそれを記すのか。静かながら決して退屈させず、神格たちの世界に連れて行ってくれる良作でした。