白銀に輝く、一匹の猫。
その姿を見た者は、すべてを忘れるか、果てしない栄光を得るという。
そんな不思議な伝説から始まる物語ですが、読み進めていくうちに心に残ったのは、伝説そのものの謎以上に、この物語の中を静かに巡っている「誰かを想う気持ち」でした。
夜の灯台で、伝説の白銀の猫を見つけたラックとリング。
その猫を追えば、すべてを忘れてしまうかもしれない。
リングが恐れるのは、自分自身のことだけではありません。
世界を救いたいという大きな願いを抱きながら、その奥にあるのは、すぐそばにいる大切な人を守りたいという、とてもまっすぐな想い。
そして物語に添えられた『シルバーキャット』では、誰かが綴った言葉が、別の誰かの幸せへとつながっていく姿が歌われます。
雨の日がある。
立ち止まりそうになる夜もある。
それでも、誰かから受け取った言葉や優しさは消えずに残り、いつかまた前へ歩き出すための光になる。
そして、その光がまた誰かへとつながっていく。
まだ始まったばかりの物語だからこそ、伝説の白銀の猫を追った先で、ラックとリングが何を見つけ、どんな物語へたどり着くのかは分かりません。
けれど、この物語の始まりに降っていた雨の向こうには、すでに小さな光が見えているような気がしました。
「ありがとう」から生まれた物語が、誰かの「こんにちは」へとつながっていく。
そんな優しい旅の続きを、私も追いかけてみたいと思います。🐱✨