ネットゲームで知り合った友達に誘われ、伊勢の朝熊山へ登山することとなったゲーマーgyutoro。苦しみ、語らい、苦しみ、楽しんでまた苦しむ中で彼は、山に登ることに開眼する。
誘われたという軽い理由から低山登りへ出かけたgyutoroさん。インドア派にとっての山がどれほど辛いものかが透かし見えて、読んでいるだけで辛くなるのですよ。
でも。山頂へ続く舗装道路を発見したgyutoroさんが自分の足でなくとも登れることを知り、「これではつまんないな」となったそのとき、私も「ああ」と得心したのです。辛いからこそその先が見たくなるんだって。
そうして山頂からの眺めを共に感じさせていただいて、また得心するのですね。先には辛いを積み上げた分だけのなにかが待っている!
gyutoroさんの心情が妙な装飾なしに綴られているのが本当にリアルで、読んでいるだけでいろいろ思わされて、気づけば惹き込まれているのですよ。
読めば自分もちょっと山へ挑んでみたくなる、登山歴6年となったゲーマーによる登山記です。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=髙橋剛)