向日葵という一つの花から、恋の喜び、愛する人への思い、そして別れまでを描いた連作短歌です。最初の「ひまわりのようにキスした」には夏の日差しのような明るさがありますが、読み進めるにつれて、その向日葵が思い出の中の花へと変わっていきます。
特に心に残ったのは、「来年も咲かせるつもりだったろう/遺品整理のヒマワリの種」です。亡くなった人が来年の夏を当たり前のように迎えるつもりで残していた種。それを遺された人が見つけるという、ほんの一場面だけで、失われた未来まで伝わってきました。
明るい黄色の向日葵だからこそ、後半の寂しさがいっそう深く感じられます。最後にコスモスの中へ一輪だけ残る向日葵まで含め、短い言葉の中に一つの恋と人生が見える、美しく切ない作品でした。
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