近年稀に見る神みたいな小説の中でも、このタイプの作品とは初めて出会った。そして、正直この作品は「物語の世界」で終わるものでは無いと思わされるようなものだった。善は悪となり、秩序が無法に変わっていく様に衝撃を受けたのは嘘では無い。しかし何よりもインパクトが強かったのは、それが正されるのではなく「新たな世界」という現実に収束していったことだった。考えてみれば、自分が同じ状況で正しく居られるのか、何が正しくなるのかも分からない。そんなような事を考えさせられた。貯蓄の大切さもよく分からされた。ただひとつ言えることは、人間の醜さや残酷さ、そして小さく光り輝く信念と優しさをここまで綺麗に描いた作者様に尊敬と感謝しかないということ。