The PoliceのEvery Breath You Take。あの甘いメロディの裏で「お前の呼吸ひとつまで監視している」と囁くストーカーの視線。向日葵の「あなただけを見つめる」という花言葉をそこに重ねてみせた手つきには、正気を装った執着の気配があって、少しぞっとする。
だが、歌自体はその危うい深みへズルズルと落ちていかない。「目で追った」という、どこか他人事のような動詞でスッと踏みとどまる。声をかけるでもなく、日傘の「浮き沈む」揺れをただ見送るだけ。追うというより、視線が勝手に引っ張られているような、不器用な距離の取り方だ。
結句の「実を結ばずに」も、上手い説明というよりは、ただそこに残された光景として目に入る。種をつけない向日葵畑の真ん中で、届かなかった視線だけが浮いている。言葉にしきれなかったものの重さが、そのままの形でそこに落ちているような気がした。