英語のテストを採点する教師・武田。
ただ答案に丸や×をつけるだけ――のはずが、そこに並んでいたのは、教師の常識を容赦なく破壊してくる回答の数々でした。
回答欄がずれている。
なぜか鏡文字になっている。
英語のテストなのに、別教科の答えが書かれている。
さらには、もはや答案用紙として扱っていいのか迷うものまで現れる始末。
一枚めくるたびに、
「どうしてこうなった?」
という武田先生の心の声が聞こえてくるようで、思わず笑ってしまいました。
この作品の面白さは、生徒たちの珍回答だけではありません。
どんな答案を前にしても、教師である以上は採点しなければならない。
その逃げられない立場で、一つ一つ律儀にツッコミを入れていく武田先生が、どんどん気の毒になってくるのに、それがまた可笑しいのです。
そして最後に明かされる「クラス最高点」。
そこまで読んだ瞬間、それまで積み重なってきたものが全部つながって、見事にとどめを刺されました。
短い作品なのに、最初から最後までテンポよく笑えて、読み終えたあとには妙な愛着まで湧いてくる。
頑張れ、武田先生。
きっと採点より先に、先生には心のケアが必要かもしれません(笑)