第二章まで拝読しました。
新人神格鑑定士・宮野大智と、個性の強い先輩たちが様々な神格に向き合っていく物語。
親しみやすいキャラクターたちがコミカルで軽快な日常を彩る一方、物語の根底には、幼い大智の故郷を消滅させた「時の支配者」という大きな謎が横たわっています。
物語は大智自身が封じていた18年前の記憶へ踏み込み、「なぜ彼だけが生き残ったのか」「彼自身には何が宿っているのか」と、それまで散りばめられていた謎が少しずつ形を持ち始めます。
日常的な神格対応の楽しさから、歴史や時間そのものに関わる壮大な謎へ。
読みやすくテンポの良い進行ながら、先にはかなり大きな世界が待っていそうで、続きを追いたくなる作品です。
冒頭から引き込まれます。故郷が空から来た黒い影に一瞬で朽ち果てさせられ、母に守られながら独り残される大智——何百年分もの時間が経過した廃墟で目覚めるという導入は衝撃的で、この物語の核心である「時を操る力」への興味を一気に掻き立てられます。
物語の中で特に心に残ったのは14話です。母親が「愛してる」と言い残して消える場面もさることながら、それを見ていた金山が思わず漏らす「早坂さんの言った通りだなんて」という一言に鳥肌が立ちました。ただの悲劇ではなく、誰かがこの結末を予見していたことを匂わせる構成は見事で、物語全体に不穏な陰謀の気配を纏わせています。
20話では、大智の故郷と母を奪った張本人クロノスがついに姿を現し、日本武尊まで参戦する人類存亡の戦いへと一気にスケールアップします。個人的な復讐劇が、神話級の存在を巻き込む規模の物語へと発展していく大胆さは、読んでいて非常に興奮しました。
神格鑑定局という組織や階級制度、複数の異能者たちの設定も丁寧に作り込まれていて、この世界がまだまだ広がっていく余地を感じさせます。第一部の終わりでは大きな謎の多くがまだ解かれておらず、じっくり腰を据えて描いていく作者の構えを感じました。
第二部でこれらの伏線がどう収束していくのか、続きが楽しみな作品です。
過去に大きな出来事を経験した青年・宮野大智。
神格鑑定士となった彼が、仲間たちと共に「時」を巡る大きな謎へ近づいていく物語です。
【少しずつ広がる謎】
物語の始まりから印象的なのが、「時間」にまつわる不思議な現象。
読み進めるほど新たな事実が見えてきて、主人公の過去から世界そのものへと話が広がっていきます。
少しずつ奥へ踏み込んでいく感覚が楽しいです。
【人たらしな主人公】
真面目でちょっと初々しい大智ですが、なんだか人に好かれるタイプ。個性的な仲間たちに囲まれながら、本人も気づかないところで距離を縮めていく姿に和みます。
人ならざる相手にもさりげなく気を配り、いつの間にか気に入られたりもします。
この人柄がどんな力になっていくのかも楽しみな主人公です。
「時」を巡る謎と、どこか親しみやすい登場人物たち。
シリアスとコミカルの緩急も心地よく、するすると先へ読み進めたい方へ、オススメの物語です。
話のテンポもよくとても読みやすいです。
主人公の生い立ちや,歴史改竄などの結構重めでシリアスな展開もありますが,魅力的な登場人物たちのコメディチックな展開もあり,ストーリーのバランスがとても良いです。
小説で登場キャラが多いと,ちょっと読みにくくなることが多いですが,この作品の場合はキャラ付けがしっかりしているので,「これ誰だっけ?」と迷うこともありません。
その中でも私のお気に入りは河童の花子さんです(笑)
カワイイです(爆)
河童のイメージを覆してくれます。
気になった人はぜひ読んでみてください。
作者様の近況ノートにイメージ画像もあるので,そちらも併せてどうぞ!
故郷の村が一瞬にして消え去る、あまりにも残酷な事件の呪縛を背負う少年、大智。
やがて彼は、神格鑑定局で働くようになります。
その重厚でシリアスな宿命と、コメディタッチな日常のギャップがたまりません。
一癖も二癖もある先輩たちに囲まれて、仕事を始める大智の傍らには、恐ろしくも、どこか可愛げのある怪異たちが登場します。
読み進めると、ユーモアや軽妙な掛け合いが心地よいリズムを生み出し、自然と物語の空気に馴染んでいきます。
しかし、その穏やかな日常の裏側で、不穏な歯車が静かに回り始めます。
大智が心の奥底に抱える過去のトラウマと、頻発する不可解な異変が結びついていく……
軽妙な人間模様から深まるサスペンスへとシフトしていく、その鮮やかなグラデーションに引き込まれます。
読み応えのある謎と、魅力的なキャラクターの双方を堪能したい方に、心からおすすめしたい一作です。