文章が簡潔でありながら、決して地の文が薄いわけではない。必要な情報を過不足なく提示しつつ、読者に余計な負担をかけない文章になっている。いわゆる「なろう系」に見られる、地の文を極端に削って会話や展開を高速で進めるタイプとは異なり、世界観や設定についてはきちんと説明する。その一方で、情景や心理を必要以上に装飾することもないため、文章そのものが物語の邪魔をしない。
一見すると『忌み属性を持った落ちこぼれが実は最強だった』という王道設定だが、本作で興味深いのは、闇属性そのものの強さではなく、『何をもって魔法の優劣を決めるのか』という価値基準に主人公が疑問を抱いていく点ですね。
文章の読みやすさも相まって、先の展開が気になる作品でした。今後、アルヴィスが闇属性の可能性をどのように見出していくのか、そして彼を取り巻く環境がどう変化していくのかも気になります。続きも楽しみに読ませていただきたいと思います。