草原の風を、夕陽を、彗星の尾を掬って、ひとつの瓶に入れる。形のない思い出に手を伸ばせるような描写が、とても美しい作品でした。草原、夕陽、星空と景色が移るたび、「彼」の違う表情が現れます。風景の色や温度までが香りになり、二人で過ごした長い時間を感じさせます。やがて瓶を海に放すとき、香りは消えるのではなく、語り手の中に残り、まだ知らない誰かの物語へ広がっていく。題名の「永遠」が静かに胸に届く一編でした。