異世界転生でも転移でもなく、まさかの"異世界通勤"!
主人公・熊手亜門の職業は悪魔。
……なのですが、やることは名刺を渡して、クライアントの要望を聞いて、資料を作って、プレゼンする(笑)
悪魔の力で何でも解決するのではなく、前職で培った営業スキルをフル活用して相手の願いと向き合っていくのが面白いです。
しかも異世界へ行かない日は東京のオフィスでデスクワーク。福利厚生もしっかりしていて、悪魔の会社なのに妙にホワイトなのも笑えます。
復讐を願う令嬢と、どこまでも仕事人なサラリーマン悪魔。
物騒な悪魔召喚をお仕事コメディにしてしまった設定が楽しい作品です!
この作品は、異世界の「悪魔召喚」と現代的な会社員の仕事術を組み合わせた設定と、その設定を物語のテーマにまでしっかり結びつけているところが魅力だと思います。
特に印象的だったのが、復讐を願って悪魔を召喚した少女の前に現れた主人公が、いかにも悪魔らしく願いを叶えるのではなく、名刺を差し出して依頼内容を確認していく序盤の展開です。深刻な状況と、妙に現実的な営業マンとしての対応とのギャップが面白く、この作品ならではの個性が一気に伝わってきました。
また、その後に主人公が復讐についていくつもの選択肢を整理し、それぞれを現実的に検討していく場面も印象に残りました。単に「復讐はよくない」と諭すのではなく、その選択によって何が起こるのかを具体的に示し、最後は本人に考えさせるところに、この物語の芯があるように感じます。
そのため、単なる異世界転職コメディではなく、人が強く願ったことと、その先にある結果までを見つめる物語になっているところが面白いです。
主人公の会社員としての経験が、異世界でもきちんと問題解決の手段として機能しているため、設定だけで終わらず、今後どんな依頼人と向き合っていくのかにも自然と興味が湧きました。
まだ連載が始まったばかりの作品なので、これからも追いかけて行きたいと思います。