「夏よ忘れて。」という、印象的なタイトルに引き込まれました。さびしいまでに澄んだ言葉たちが、恋心の中で溶けていくような作品です。6首目。言葉なく そばにいるだけ あなただけ 軽くめまいの 微インスパイア上の句で繰り返される「だけ」が揺曳しながら、下の句の静かな眩しさへと流れ込んで、薫り立つような詩情が立ちのぼります。全体に、夏の心象風景と恋の透きとおる陰影を、モノローグ形式で繊細に描写した、その高い抒情性に胸を打たれる短歌集です。【レビューコンテスト応募】