昼下がりの喫茶店に、客がゼロ。バイトの女子高生に「このままじゃ潰れちゃいますよ!」と怒られているマスター。この冒頭の情けなさが良くて、そのまま一気に読みました。
このマスター、腰が痛いんですよ。昨日ちょっと本気を出したら腰にきた、と言う。強い人なのに、めちゃくちゃオジサンなんです。そこがとても好きでした。
イベント屋として感心したのは、寂れた喫茶店がじわじわ賑わっていく段取りの書き方です。バイトの子が退勤前にテレビへ配信の待機画面を仕込んでいく。夕方、常連が集まる時間に配信が始まる。みんな見入って、いつもより長く居座って、注文が増える。閑古鳥の店にお金が落ちていくまでの流れが、ちゃんと手順として書いてあるんです。ここが良かった。
そして、その稼ぎ時に、マスターは店を閉めます。この一行が効きました。
守る側の大人が、ちゃんと大人の言葉で子どもに話す作品です。続き、楽しみにしています。