非常に構成が綺麗で、思わず潤んでしまうような素敵なお話でした。とても面白かったです。
私が今まで読んできたループ系のお話の多くは、自分の人生をより良くするために主人公が努力を重ねるストーリーになっていました。
前回のルートでダメだったところ、失敗したところ、もっと上手くやれたところ。そのすべてを拾い上げるために主人公が奮闘する、それがループ系の基本的な構成でした。
でも、本作の主人公はタイトルや紹介文にもあるとおり、二周目の人生をやり直さないのです。上を目指さず、告白を断り、出世や転職も断ります。
それがいかに大変なことか。バタフライエフェクトが起こらないように、元の人生をなぞることがどんなに苦しいことか。耐えて耐えて耐えて、あの人に会うためにずっと耐えることが、どんなに切ないか。
本作の設定の時点で、めちゃくちゃ面白いと思います。そしていつもながらの仁木さまのわかりやすく、繊細な文章から、どんな方でも目が潤んでしまうと思います。とてもおすすめです。
ぜひ、ぜひご一読ください!!
私はループ系の作品はたくさん見てきました。有名なのだとシュタゲ、まどまぎ、リゼロ、クロスチャンネル、他にもたくさん。
たいていの作品は、なにか後悔やなかったことにしたい出来事があり、前とは違う道を歩もうとする。しかしこの作品は違い、なるべく同じ道を辿ろうとする。
それはある人物に会うため。
ただ、主人公には一周目の記憶があるため、前とどうしても違う自分になってしまう。その結果、一周目とは異なる出来事が起きることになる。
この物語は、主人公が目指す場所へ繋がっているのだろうか?
その結末は是非あなたの目で確かめてください。
「もう一度きみに会うために」
キャッチコピーに書かれている一文です。
主人公はタイムリープして、高校生からやり直す男性。
人生やり直しの物語の多くは、失敗を繰り返さない為に努力し、前の人生とは違った生き方を望みます。
けれども、今作の主人公はそれをしないのです。
「もう一度きみに会うために」
そんなに会いたい「きみ」とは、いつ、どこで会うのか。
どんなに素晴らしい人物なのか。
色々想像しながら読み進めましたが、「きみ」を知った時、鳥肌が立ちました。
この瞬間の為に、主人公は必死に生きたのか、と。
大きな仕掛けも、どんでん返しもない。
けれども、静かに熱く胸に響く主人公の人生。
ぜひ、確かめてみてください。
オススメ致します。
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