この作品は、愛を知らずに育った少女が、誰かに特別に想われ、自分もまた誰かを特別に想うことで、初めて恋を知っていく物語だと思います。
主人公のエフィは明るく素直ですが、恋愛については驚くほど無自覚です。そんな彼女に想いを寄せるのが、陽気で真っ直ぐなルーカスと、理性的で感情表現の苦手なアリステア。
同じ「エフィが好き」という気持ちでも、二人の伝え方はまるで違います。別々の世界線としてそれぞれとの恋が描かれているため、相手によってエフィの恋の始まり方や距離の縮まり方まで変わっていくところが面白いです。
特に印象的なのは、エフィ自身が誰かに愛されるだけでなく、少しずつ相手の気持ちを知りたい、その人にも幸せでいてほしいと思うようになっていくところです。
単なる溺愛されるヒロインではなく、人を好きになることを知らなかった少女が、自分の気持ちに名前を付けながら成長していく。その過程が丁寧に描かれていることが、この作品の大きな魅力だと感じました。
序盤までの紹介となりますが、二つの異なる恋の先でエフィがどんな幸せを見つけていくのか、これからも追いかけて行きたいと思います。