全3話の伏線が見事に回収される、圧倒的感動のグランドフィナーレです!
「目撃証言は書き換えられる」というテーマを追ってきた灰川教授自身が、実は「32年前の冤罪事件で偽りの記憶を植え付けられた10歳の少年」であったという衝撃の真実。これまでの鋭いロジックの裏にあった痛切な罪責感と、科学で過去を救いたいという切なる願いを知った瞬間、作品全体の景色が一変します。
時効の壁を越えた証言の「科学的解毒」、そして獄中で学問を修め、自分を陥れた少年の未来を案じ続けた被害者・蓮見貞治氏の圧倒的な高潔さ。裁判所の前で、34年分の凍りついた涙を流す灰川教授の姿には胸を打たれました。
ミステリーとしての論理的解快感と、人間ドラマとしての深い救済が見事に融合した、文句なしの傑作連作短編です!