夏の終わりが静かに訪れていく秋の少しひんやりとした風のような、とてもとても静寂な文章が、とてもとてもせつない物語の予感。関心のない両親、傲慢なのか寂しかったのか欲しがることで自己肯定感を覚えてしまう弟。そんな家族の中で諦めることで自分を隔離してしまったであろう主人公。そんな主人公の癒しである優しくし朗らかなヒロイン。重なり合う人の心の機微が美しく哀しい世界を垣間見せてくれる作品。