シーン7

◯ 道(朝)


   住宅街を走る登。

   大きなリュックを背負って車椅子を押している。

   車椅子に乗るのは硝子。

   死装束の上からジャンパーをかけて、頭にはキャップを被っている。

   キラキラと朝日が二人に降り注ぐ。

   登、目を細めて、


登「…絶好の旅日和だね!」


   硝子は黙ったまま何も言わない。


登「行くよ硝子ちゃん。しっかり捕まってて!」


   一瞬「ぶぶぶ」と登の耳を掠める虫の羽音。

   しかし登は気づかない。

   スピードアップして走って行く。

   ×  ×  ×

   次第に増えてくる通行人。

   登の正面、ジョギング中の男性が近づいてくる。

   緊張に強ばる登の顔。


男性「おはようございます」


   小さく会釈する登。

   すれ違う瞬間、男がチラリと硝子を見たのを登は見逃さなかった。

   振り返る登。

   男が走り去ったのを確認して、深くため息をつく。


登「やっぱりこの格好目立つよな」


   硝子を見下ろす。


登「…それにもっと可愛い服の方がいいよね」


   考える登。

   ハッとしてポケットをまさぐる。

   登の手には伊月の番号が書かれた紙。

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