昔から自分を知る客と、今の自分が向き合う静かな一夜。ホテル時代から坂城を知る常連客との会話を通して、変わったものと変わらないものがゆっくり浮かび上がってきます。昔より少し肩の力が抜け、それでも仕事への丁寧さは変わらない。そんな坂城の年月の重ね方が、バーの静かな空気とともに伝わってきました。一杯の酒と昔の呼び方が、遠い時間をそっと連れてくる。年を重ねることの味わいが、じんわりと心に残る物語です。