編集への不信感
編集は作品の理解者ではない。
そりゃあ何ヶ月も何年もかけてこのこの作品のことを考えて苦しんでいるんだから、作家の方が理解していて当然だ。
しかも相手はやり取りを始めて一ヶ月も経っていない相手だ。直接会ったこともないし、打ち合わせも一回だけ。星の数ほど抱えた担当作品の中の一本に過ぎず、この作品について考えてくれているとは思うが…、売れようが売れまいが大したリスクではない。作家ほど命は懸けてない。
ビジネスとしての距離感というのは個人的には心地よいが、信用できるかどうかの判断材料にはなり得ない。
この人を読者の代表にして良いのか、その意見がどれほど有用か、甚だ疑問だ。現状人柄と色々経験しているっぽいということしかわからない。
というようなことは本来新人は別に考えなくてもよくて、世界の全ては担当編集であって、担当が面白いというものを粛々と作り続ければよくて、担当者が優秀かどうかは運否天賦、いわゆる「編集ガチャ」だ。ただその世界をぶっ壊したのはそっちで、最低限の説明すらできない以上、信用できないなんてクソ生意気なことを言われても仕方ないだろう。
ただ担当の意見にNOを突きつけて突き進むストレスは半端じゃない。信じられるのは自分だけという状況は、賞をもらう前とさほど変わらないはずなのに、ひどく孤独を感じる。
かといって、いいだくだくと意見を全て飲み込んでしまえば前担当の二の前になることは目に見えているし、自分の作品を自分の手でつまらなくしていくような作業は二度とゴメンだ。
もういっそ放っておいてくれと思うが、そもそも放っておいてほしくないから、コンクールに応募したわけで、思春期の中学生じゃないんだから、もういい大人なんだから、感情論に身を任せるべきじゃない。
どうするのがベストなのかわからない。
でもきっと他人の意見で作品を変えるより、自分の考えを貫き通したほうが後悔は少ないはずだ。いずれにせよ後悔するのだから少ない方が良いよね、という大変後ろ向きなリスクマネジメントだ。
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