笑いが起きる。
世界が壊れる。
そこでCMが入る。
――何が起きても「番組」として押し切ってしまう勢いが、とにかくすごい!
この作品で暴れ回るのは、登場人物だけではありません。
CM、ナレーション、カメラ、提供クレジット、視点、尺、そして「主人公」という役割まで。本来なら物語の外側にあるはずのものが次々と舞台へ乱入し、ティナーの手によって笑いへ変えられていきます。
第四の壁を破るというより、初めから壁を建てるつもりがない!
読者も傍観者ではいられず、いつの間にか、この予測不能な生放送の観客として巻き込まれてしまうのです。
巡る先は、龍人の支配する世界、スチームパンク、俺TUEEE系、アメコミ世界。異なるお約束を持つ世界であっても、ティナーが足を踏み入れれば、たちまち「TV Tiner Time」の舞台へ早変わり!
次は何が飛び出すのか。
どこからツッコミが入るのか。
そして、今度は何が爆発するのか。
まったく予想できません!
さらに楽しいのが、ティナーの巻き起こす混沌が、出会った人物たちへ伝わっていくところです。
初めは彼の言動に困惑し、冷静にツッコんでいたはずの人物まで、旅を重ねるうちに自ら常識を吹き飛ばし始める。仲間が増えるたび、ボケとツッコミの関係も変化し、番組はますます賑やかになっていきます。
けれど、その中心にあるものは一貫しています。
自分がフィクションの登場人物だと知りながら、それでも読者を楽しませるために、与えられた「今」を全力で駆け抜ける。その姿勢があるからこそ、ティナーは単なる破天荒な人物ではなく、この番組を牽引する唯一無二のMCであり、主人公なのだと感じました。
言葉遊び、映像を思わせる笑い、形式そのものを利用した仕掛け。それらを息つく暇もなく繰り出してくる白斗 呂様の発想力と、笑いを恐れず突き抜ける勢いが光る一作です!
疲れた日に、難しいことを考えるより先に笑いたい方へ。
これは、ただ読む物語ではありません。
ページを開いた瞬間から巻き込まれる、規格外の生放送です!