武器がない主人公の武器が「距離の計測と微調整」だけ、という一点で掴まれました。急加速も急ハンドルもできない。荷台に人が乗っているからです。この制約がそのまま緊張になる設計が本当に上手い。狭い待機所で何度も切り返す場面が、下手な戦闘より緊迫します。タイヤの異変、制動距離、十二速AMT。運転の描写が具体的だから、異界の道がちゃんと「道」として立ち上がってくる。「荷物は、届けて初めて荷物になるんや」——この一行に全部入っています。