どこぞの人物がこんな屁理屈を述べていた。
「本物と見紛うほどの偽物は、本物よりも価値がある。騙すためにかけられた労力は並大抵のものではないからだ」
そんなバカなと笑っていたが、本物の様子を見るに、そうでもないのかもしれない。
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「リアル」に辿り着いた友人の話。
展開もそうなのだが、作中で登場する創作論的な内容も魅力的である。
良い指南書は方法や技術について、実例も書いてくれるわけだが、この作品も例に漏れず実例が記載されている。
これがボブ・ロスの「ね?簡単でしょう?」を彷彿とさせるわけだが……説得力はある。
背景を作り込む必要も、矛盾やら時系列やらに気をつける必要もない。
何よりも心の底から「全部を表に出したい」と思うわけだから、さぞ筆が乗ることだろう。
一部始終を読んでみて、気持ち良さそうだよなという感覚と、気持ち良さに身を捧げたら終わりだよなという感覚がせめぎ合っていた。