現代語訳で予習してから臨みました!
原典ははおそらくなんの理由も動機もないせいで得体のしれない気持ち悪さがありました。
この作品では、執着の理由を兄の失踪という形にしたわけですよね。
でも、今度は失踪の理由がわからない。
でもでも、兄は京都の説話を研究していたわけで、(例えば)原典の長門前司の子孫かもね?というのはわかる。じゃあ、これは血の呪いなのかな?
しかしかし、呪いの連鎖が各世代に存在していたら、呪われた話として家族の知るところとなるでしょう。自動で発動する呪いではなく、実際に研究で触れてはならないものに触れちゃったからなのか?
そしてそしてそして、浩樹君も失踪しちゃったから今度こそ血の呪いになったのかもしれない!?
でもやっぱり、説話ぽさというか、なんか理由がわからない感じが、残っている。
実はちょっと調べたんですけど、塚は現代にもあるんですね。
というのを知って、モキュメンタリー風味のぞぞっ!がありました。
芥川の羅生門とか藪の中とか(こっちは今昔物語集ですよね)とはまた全然違う料理の仕方で面白かったです。あとちゃんと気持ち悪かったです!
作者からの返信
コメント&レビューありがとうございます。
原典を最近読み直して ゾワゾワしたのです。
なんと言っても塚が今も残ってることに (汗
千年残り続ける女の想い。
原典の語り手にとっては実話 (怖
千年動かない執着。
その不気味さが固定された〈点〉。
その点を中心に みなみさんに教えて頂いた幾何学模様を描きました。
1つは〈直線〉的な時間の経過です。
家族の時間は物理的には進んでいってる。
家族の団欒のシーンは
昭和→平成→令和
ブラウン管テレビ→液晶テレビ→スマホ
って同じ構図になるように書きました。
それと対比するように玄関は固定点に。
〈観光地土産のペナント〉なんて みなみさん世代はご存知ないかも……タヌキ世代でも ウロ覚えのアイテムを出しました。
〈螺旋構造〉も意識しました。
姉は母になり 母は祖母になる。
過去のスナップ写真には自分達の面影が重なる。
その家族が同じ7月29日の20時17分を通過していく。
同じことの繰り返しっぽいけど メンバーは変化している。
それが最後〈固定点〉の重力で一気に〈円環〉に閉じてしまう。
そんな構成を考えました。
みなみさんに教えて頂いた小説構造の話をタヌキなりに実践してみた作品です。
今回も みなみさんのお陰で書けました。
ありがとうございました。
『宇治拾遺物語』四十七〈長門前司の女 葬送の時 本拠に帰るの事〉よりへの応援コメント
コメント、失礼いたします……!
結局、同じ失踪事件が繰り返されていく……でも、その理由も原因も分からず(?)
時代が流れ、文明が発展しても、それは時間から切り離されたように同じく繰り返して……なんだか、得体の知れないモノにぞわぞわするお話でした。
古典の部分。記憶があやふやになってしまい、ちゃんと読み取れているのか不安ですので、現代語訳を読み直してから再度、拝読しますっ……!
そしたらまた違った物語が見えてきそうで、とても興味深く面白い物語でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
「歴史っぽい短編」という企画用の書き下ろしだったので 家族の歴史を丁寧に書いてみました。
日々の生活と変化の積み重ねが家族の歴史だと思うのです。
そこに〈変わらないモノ〉がある不気味さ……。
原典に書かれた塚(神社)は 今も京都五条に存在するそうで その〈変わらなさ〉に触発されて作品のイメージができました。
京都にお立ち寄りの際は是非……。