迷宮公団の設計士として37年働いた主人公は、組織の再編で退職し静かな日々を送っていた。ある日、孫が見せた迷宮探索配信で、自分がかつて設計した坑道が危険な形で使われていることを知る。かつて迷宮を設計した老技術者が、配信者の危機に匿名で知識を差し出す姿が胸を打ちます。静かな生活の中で再び役割を見出す過程が丁寧に描かれ、技術者の矜持と迷宮の歴史が重層的に響きます。冒頭3話のみを拝読した上での感想ですが、人知れず積み重ねた仕事が誰かを救う、その尊さが沁みる作品です。