特に良いと思ったのが、「振り返ってはならぬ」という約束の扱い方です。この手のタブーは破られるのが物語のお約束ですが、この少女はきちんと守り抜いて帰ってきます。ここで一度「守れた」を丁寧に積み重ねているからこそ、この先どこかで誰かが振り返ってしまう瞬間が来たとき、その重みは何倍にもなるはずです。今後どう効いてくるか楽しみにしています。
一点だけ。全4話を通して、二人の出会いと交流の始まりまでが描かれる形になっています。あらすじで予告されている「大厄災」や「千年後」に触れる前に、「やがて世界の運命を変える」という予告の一文が各話の終わりに重ねて置かれているので、読者としては「早くその先を読ませてほしい」という気持ちが少し募りました。予告の一文は最も強い一箇所に絞り、二話と三話をひとつにまとめる(実質ひとつのお使いを果たす話ですので)だけでも、物語が動き出す速度はかなり上がると思います。
作者さんの中でも期待感の大きい物語だと感じます。書いていて感じられているであろう高揚感、ご自身へのワクワク感を大切に、この先も書き続けてほしいです。この先の大きな千年物語、楽しみにしています。
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