通うクラブ

黒猫のプルゥ

はじめに

 記憶は風化する。


 年月を経るごとに、色あせ、擦り切れ、曖昧になっていく。


 あのとき見た景色も、あのとき聞いた言葉も、あのとき感じた心のざわめきも、いまとなってはモノクロのサイレント映画でしかない。


 いずれは完全に消えてなくなるものならば、せめて失いがたい過去があったという事実を書き留めておくことが、わたしにできる最善のことかもしれない。


 思い立ったのは昨夜のこと。思い立ったことすら忘れてしまわないうちに、休日を消化して筆を取ろうと思う。


 どこから始めるかは決まっている。花びらと、一冊の本が落ちたあの春の日から。


 これは、友だちとの日常の記録。


 学校でも家庭でもうまくいかず苦しんでいたわたしに、そっと手を差し伸べてくれた、大切な友だちとの……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る