「この世界に魔法があったら……」
これまでファンタジーに触れた方であれば、上記のような夢を一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。
本作の主人公メフラも、そんな純粋な夢を抱える者の一人です。
蒸気により発展したネムシティと呼ばれる場所で、機械の箒に乗る快活な少女。そんな彼女が謎多き幽霊、ジャックと出会うことで物語は大きく動き出します。
これまで誰も発見できていない“魔法”を見つけるべく、調査を進めていく二人。
やがて明かされる真実はメフラにとって、また読者の私にとっても予想外のものでしたが、彼らが時間をかけて得た答えは、多くの読者に希望をもたらすはずです。
物語の中で移り変わるメフラの心境は、まるで私自身の子供時代を映し出しているかのようで、たいへん懐かしく、また励まされるような気持ちになりました。
それから、彼女と他の登場人物が繰り広げる軽口がとても面白くて、最後まで楽しんで読むことができました。
物語の中の“魔法”の定義に照らし合わせるなら、こんなに面白い会話を考えつく作者様は、凄腕の魔法使いですね!
温かくもちょっぴり切ない、それでいて生きていくことに前向きになれる。そんな素敵なお話です。ぜひ読んでみて下さい。