真夏の耳鳴り、青い月曜、紫の髪、空蝉、海溝、消えた電話ボックス、そして夏に生まれ夏に死んだ父。日常の風景に混じる、説明のつかない違和感。十一首の短歌が描くのは、現実なのか、記憶なのか、それとも別の世界なのか。最後に吹き抜ける「プリズムの風」は、いったい何を変えるのか――。