ひらがなの柔らかな響きと、季節に重なる二人の距離。その美しさに惹かれていた分、『はなとらいめい』であふれ出す感情に圧倒されました。 「あいだ」「すきま」と言葉が離れていくところは、文字の配置まで二人の関係を表しているようで、胸が痛みます。 そして、最後に咲く花。『はな』では希望を感じた結びが、こちらを読むと、喜びだけでは受け止めきれなくなりました。「そうしましょう」と自分に言い聞かせるような言葉と、最後の「また」が心に残ります。 同じ言葉の見え方が変わり、もう一度最初から読み返したくなる作品でした。