一首目と五首目、そして最後の首が直接的に三面鏡の首となっている連作です。三面鏡の中に見つけたモノが変化していく過程が計算された確かな筆致で描かれ、とても読みごたえがあります。全体を通して見ると、語り手が首をおうごとに成長していると感じられる気もしました。一つ一つが独立していますが、読了後に改めて拝見すると全体で一つの世界観があるように思えます。
何といっても、言葉選びが秀逸で美しい。そして共感できる棘や風景がある。
小生が一番好きだったのは、二首目の赤とんぼの首です。とんぼの眼鏡の童謡を思い出したら、とても切なくなりました。そして、とんぼの眼鏡も鏡同様に「映るもの」だと気付き、思わずドキッとしました。
是非、ご一読下さい。