元パンクロックの経歴を持つバンドグループが、モヒカンを投げ捨ててフォークの道に進んだ。
この時点でキレの良いフォークの如き急変調であるが、それだけではない。
なんと、新曲のタイトルは、現代日本でフォークと言えばねえ……となる超大御所が出したそれと同じなのであった。
かくして、彼らは30を超えた今(さら)、夏と向き合うことになる。
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彼らにも恐らく誰にも見せない泪があったのだと思われる。
そうでなければ、わざわざバンド名に「南武線」なんて選ばないだろう。
そんな彼らは南武線のラインカラーにあやかってか、超有名なフォークデュオに体当たりを持ちかけた。
彼らは振り返らずに走り出したのだ。そんな足掻きは晩夏のセミのようで、なんとも風情がある。
だからもう迷わずに進めばいい。
夏色の架橋へと――
中野島、津田山ときて、ん? と思った方もいるだろう。そこへ登戸、分倍河原とくれば確定である。本作は彼ら四人からなるフォークユニット「南武線」が、某大御所の有名曲「夏色」と同じタイトルのフォークソングを作詞作曲しようという暴挙に出る話である。
もうこの時点で結末が薄々見えている。皆さんは本家本元の夏色の歌詞はご存知だろうか。いかにも夏という要素が詰まった爽やかな歌である。南武線のメンバーたちもまた自分たちなりの夏のワードを集めて作詞を試みる。だがその結果は……。
是非本編で確かめていただきたい。それにしてもこいつら、今までろくな夏を過ごしてないな……。