「桃太郎」と聞いて、どんな主人公を想像するでしょうか。
勇ましい少年。
犬・猿・雉を連れ、鬼ヶ島へ向かう英雄。
……たぶん、この作品の桃太郎は、その想像をかなり豪快に裏切ってきます(笑)
長く伸びた髪に無精髭。
旅装束に立派な太刀。
遠くを睨むような目つき。
どう見ても三十前後の、渋くて少々近寄りがたい男。
ところが――13歳です。
そこへ出会うのが、もうすぐ元服を迎える少年・甚太。
つまり始まるのは、
「年下のおっさん」と少年による鬼退治の旅。
もうこの設定だけでも強いのですが、実際に読んでみるとさらに面白い。
桃太郎は無口で怖そうなのに、妙なところで天然。
とんでもなく格好いいことをした直後に、平然とこちらの予想を裏切ってくる。
甚太のツッコミも冴え渡り、二人の掛け合いには何度も笑ってしまいました。
けれど、ただの昔話パロディやギャグ作品ではありません。
旅の中で見せる桃太郎の振る舞いには、口数の少ない彼なりの優しさや、人の痛みに気づくような静かな格好よさがある。
そして「鬼」という存在にも、どうやらこの世界ならではの意味がありそうです。
笑っていたはずなのに、ふとした瞬間に物語の奥行きが見えてくる。
昔から誰もが知っている『桃太郎』を使いながら、何度も「その発想はなかった(笑)」と思わされました。
イケオジが好きな方。
凸凹コンビの旅が好きな方。
昔話の大胆なアレンジに弱い方。
ぜひ、この✨13歳のイケオジ桃太郎✨に会ってみてください。
私はもう、この旅の行方が気になっています(笑)