と或る女性が自宅の防音室で遺体となって
発見された。現場は離れに造られた
オーディオルーム。物音は完全に遮断され
同居の家族ですらその惨劇には全く気が
つかず。
死因は失血によるショック死。全身に
ヒトのモノと思われる咬傷が、その凄惨さを
物語っていた。
タイトルにもある、武田警部補。
なかなかにダンディなイケオジであるが、
存外に適当。それに反比例して眼力は鋭い。
次から次へと調査を進めて、被害者の
直近の行動に着目する。
これは間違いなくホラーだ。
それも正統派ホラーの流儀を持っている。
民俗学的な要素を絡めて、禁忌に触れた者の
悲惨なる結末を描くのだが。
何より凄いのは、この武田警部補の
身体を張った刑事魂だろう。
少なくとも、いち公務員の それ では
ないのだ。飄々として、怪異神秘との絶妙な
距離感を持っている。
このシリーズが待たれる。
世に出れば屹度、多くの支持を得られるに
違いないのだ。