人間関係をリセットするため嘘を重ねる少年と、眠ると記憶を失ってしまう少女。
軽妙な掛け合いと日常の謎解きで幕を開ける本作は、散りばめられたピースが美しい論理で噛み合っていく緻密な構成に一瞬で引き込まれます。
しかし本作の真骨頂は、張り巡らされたロジックの先に待つ圧倒的な心理描写の深さです。
自分を守るため仮面を被り本心を見失った少年の孤独と、心を通わせても明朝には忘れてしまう少女の恐怖。
不器用な二人が互いの痛みを分かち合い、距離を縮めていく姿は切なく胸を締めつけます。
やがて暴かれる過去の事件の真相。
人は時に、自分を守るためだけでなく、大切な誰かを守るためにも嘘をつく――。
不完全な彼らが傷つきながらも真実と向き合い、その「優しい嘘」を踏み台にして前へと歩き出す姿に、熱い涙が込み上げました。
謎解きのカタルシスと、胸を震わせる感動が完璧に融合した珠玉の青春小説です!!