天空の帽子飛行船と風の帽章
朝焼けの空を、一隻の巨大な帽子型飛行船――ナイトメア・ハット・アークがゆっくりと進んでいました。
その姿を見上げながら、マックスたちは断崖絶壁に立っていました。
「飛行船までどうやって行くんだ?」
マーチが空を見上げます。
すると突然、風が渦を巻き、無数の帽子が空から降ってきました。
その帽子は鳥のように羽ばたき、マックスたちの周りを飛び回ります。
「帽子が飛んでる!?」
ティムは嬉しそうに笑いました。
「伝説のスカイハットたちだ! この子たちは風の精霊と友達なんだよ!」
その時、一番大きな白い帽子がマックスの前へ舞い降ります。
帽子の中から、エメラルド色の髪をなびかせた少女が姿を現しました。
「私はエアリア・ハット!」
「風を守る帽子職人の一族の末裔です!」
彼女は優雅に一礼すると、少し悲しそうな表情を浮かべました。
「でも……風が泣いています、」
「ノワール・ハットが『風の帽章』を奪い、空の流れを止めようとしているのです!」
その言葉が終わると同時に、黒い雲が空を覆い尽くしました。
ゴォォォォォッ!!
猛烈な嵐が巻き起こり、スカイハットたちは風にあおられて落ちていきます。
「助けなきゃ!」
マックスはシルクハットを高く掲げました。
「ハッター・マジック! スカイ・ティーパーティー!」
五つの帽章――笑顔・勇気・希望・時・友情が一斉に輝きます。
帽子から七色のリボンが空へ伸び、落ちていくスカイハットたちを優しく包み込みました。
「ありがとう!」
スカイハットたちは元気を取り戻し、マックスたちを乗せて大空へ飛び立ちます。
しかし、その前に巨大な黒い影が立ちはだかりました。
翼を持つ黒い騎士――
ウィンド・リーパー。
「この空はノワール・ハット様のものだ!」
「誰一人、先へは進ませない!」
黒い槍から放たれる暴風が、スカイハットたちを吹き飛ばします。
「みんな、散開!」
エアリアが風を操って仲間たちを守りますが、敵の力は圧倒的です。
マックスは空の向こうに見える朝日を見つめました。
「風は、誰かのものじゃない、」
「みんなの未来へ吹くものだ!」
シルクハットが黄金色に輝き、新しい魔法が目覚めます。
「ハッター・マジック! レインボー・ウィンド・ワルツ!!」
七色の風が音楽のように空を舞い、暴風を優しい追い風へと変えていきます。
ウィンド・リーパーの黒い槍は風に包まれ、その闇が少しずつ消えていきました。
「これが……本当の風……」
騎士は静かにひざまずき、黒い鎧が光へと変わります。
その胸から、翡翠色に輝く帽子型の結晶が現れました。
六つ目の帽章『風の帽章』
帽章はシルクハットへ吸い込まれ、六つの紋章が美しく輝きます。
その瞬間、空いっぱいに虹が架かり、ナイトメア・ハット・アークへの道が開かれました。
しかし飛行船の最上部では、ノワール・ハットが静かに拍手を送っています。
「見事だ、マックス!」
「だが最後の帽章は、この世界で最も手に入れることが難しい!」
彼は黒い帽子を脱ぎ、その内側をマックスへ見せました。
そこには、何もありません。
「最後の帽章――**『夢の帽章』**は、形のない帽章!」
「他人から奪うことも、力で手に入れることもできない、」
「自分自身の心が答えを知っている!」
そう言い残し、ノワール・ハットは飛行船の奥へ姿を消しました。
マックスは静かに帽子をかぶり直します。
「夢の帽章……」
「僕は必ず見つける!」
仲間たちは力強くうなずき、いよいよ最後の決戦の舞台――ナイトメア・ハット・アークへと乗り込むのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます