タイトルだけでも十分、一癖二癖ありそうと感じますが、ストーリーラインに書かれている、お米様抱っこの儀。……抱っこの儀?
どんなパンチの効いた短編なのかと惹きつけられ、本作を拝読することにしました。おそらく、そんな方は他にいるはず。なんやねん、抱っこの儀。
本作は、お米様なる神様を抱っこして豊穣祈願するというお祭りがある架空の地域が舞台です。なんじゃその祈願は、に関してはネタバレとなるため伏せます。ストーリーラインに、「お米様・ヨネの理想は色黒の逞しい男に抱き上げられること。」となかなか不穏(?)なことが書かれていますが、その理由も伏せおきます。未読の方は直接ご確認ください。
ここで語りたいことはひとつ。
お米様、可愛い。
可愛いんです。とっても。お米様の祀られている神社を清掃する青年、文太くんもツンツンしていて可愛らしい。
結末は微笑ましく、オチに「お米様、可愛いなw」となります。
お勧めです。
良いとされるものは時を超えて受け継がれていくもの。
「良い」とはつまり「心を動かす」ということ。
長きにわたり人々の心を動かしてきたもの。
そのひとつが「ツンデレ」である。
恥ずかしさや照れゆえに自らの心を素直に表現できない。
素直に表現できないどころか、時には正反対の態度をとってしまう。
しかし隠しきれない好意。とどめきれずに溢れ出す感情。
そしてここぞという場面で見せる本心。
ツンデレは蜜の味。
そのいじらしさに歓喜し、尊さに涙を流すであろう。
ツンデレは男女平等である。
男性のツンデレは女性に刺さり、女性のツンデレは男性に刺さる。
男女平等が謳われる昨今において、ツンデレは時代のニーズにも合致しているといえる。
本作のツンデレは年下青年に持って行かれた。
では男性読者が想いを馳せるキャラクターはいるのか。
安心してほしい。もちろんいる。
安心してひれ伏してほしい。年上「のじゃ」に。
「のじゃ」もまた扱いが難しい部類ではある。
例えば老婆が語尾に「のじゃ」とつけていたとしても、ときめく男性はごく少数だろう。
そこを超越し得るのが「人外」という存在。
年上であり、「のじゃ」を操る。しかしその容姿はきれいなお姉さん。
その神々しさには敬意を払うしかなく、全男性はひれ伏さずにはいられない。
「ツンデレ」と「のじゃ」の物語。
あなたの心の稲穂も揺れることだろう。
年下ツンデレ青年と年上人外お姉さんを描いた和風ファンタジー作品です。
この作品の一番の魅力は……、なんといってもキャラクターです。
作者様の作品はどれもキャラクターが魅力的で、本作もその例に漏れず、性別問わずに好きになるキャラクターです。
物語はわかりやすく、短編という多くはない文字数の中できれいにまとまっております。
是非本作を読んで「尊いー」と一緒に叫びましょう。