冒頭、失恋の歌から始まります。
口語短歌でありながら、
余韻と余情が揺らめくように残ります。
4首目。
脳味噌の皺という皺を引き伸ばし
あなたを知らないあたしになりたい
脳の皺に刻み込まれた、
恋人とのさまざまな記憶を取り去って、
あなたのことを忘れたい、
この訴えは切実で、胸を打たれます。
また、元カレの立場で詠んだ歌も見られ、
その双方向性には作者の視野の広さが感じられ、
ほのかなユーモアさえ薫ります。
まだ連載中ですが、
本作においては、
恋の終わりの余韻が静かに揺曳していて、
失恋の痛みと向き合おうとする心の揺れを、
繊細に紡いだ短歌集だと思いました。
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